ご予約・お問い合わせ 047-314-1580

MENU

CLOSE

WEB予約

ご予約・お問い合わせ 047-314-1580
* *

医院ブログ

2026.05.14

今話題の口腔機能発達不全症って何?

皆様、こんにちは。
千葉県市川市にある三浦歯科医院、院長の三浦靖です。

今日はお子様の成長において今非常に重要視されている『口腔機能発達不全症』について、詳しく解説させていただきます。
このブログが、お子様の健やかな成長を願う親御様にとって、一生涯の健康を守るための道標となれば幸いです。

口腔機能発達不全症とは?

成人のリハビリとは異なる、小児の「ハビリテーション」。
まず、この少し難しい名前の疾患についてお話しします。
成人の方が、病気や怪我で失った機能を回復させることを「リ・ハビリテーション(再び適した状態にする)」と呼びますが、小児の場合はこれとは考え方が根本から異なります。
小児期の口腔機能は、常に「発達・獲得」の過程にあります。
つまり、最初から完成された機能があるわけではなく、成長に合わせて機能を一つずつ手に入れていく段階なのです。
この過程を「ハビリテーション(適した状態にする)」と呼びます。
「口腔機能発達不全症」とは、このハビリテーションが何らかの理由で滞ってしまい、「食べる機能」「話す機能」「その他の機能(呼吸など)」が十分に発達していない、あるいは正常に獲得できていない状態を指します。
成人のように「元に戻す」目標があるわけではなく、各成長ステージにおいて「正しい成長に導く」ことが、私たち歯科医師の重要な使命なのです。

なぜ口腔機能の発達が重要なのか?

当院の理念である「口腔から全身の健康を守る」という言葉通り、お口の機能は単に「食べること」だけにとどまりません。
正常な口腔機能の発達は、以下の全身的な健康に直結します。
・十分な栄養摂取と体格形成
・正しい呼吸(鼻呼吸)の確立
・明瞭な発音とコミュニケーション能力
・整った歯並びと理想的な噛み合わせ
最近、「噛む回数が少ない」「いつも口が開いている」「発音が不明瞭」といったお子様が増えています。
これらは単なる癖ではなく、機能の発達が遅れているサインかもしれません。
これを早期に見極め、専門的な関与を行うことで、将来的な抜歯矯正のリスクを減らしたり、睡眠時無呼吸症候群などの全身疾患を予防したりすることが可能になります。

お家でチェック!診断の基準となる症状

日本歯科医学会の最新指針では、離乳完了前と完了後で詳細なチェックリストが設けられています。
親御様が日常で気づけるポイントをいくつか挙げます。

【離乳完了前のお子様】
・哺乳(おっぱい・ミルク):乳首をしっかり吸い付けない、授乳時間が極端に長い、または短い。
・離乳食:スプーンを舌で押し出してしまう、なかなか離乳が進まない。
・お口の様子:安静にしている時に、いつも口が開いている。

【離乳完了後(18か月以降)のお子様】
・食べる(咀嚼・嚥下):食べるのが遅い(または早すぎる)、食べこぼしが多い、偏食が激しい、クチャクチャ音を立てて食べる。
・話す(構音):サ行やタ行などの発音が聞き取りにくい、言葉の置き換えがある。
・呼吸・睡眠:常に口呼吸をしている、睡眠中にいびきをかく。
・その他:歯並びがガタガタしている、極端に「やせ」または「肥満」傾向にある。

これらの項目のうち、「食べる機能」や「話す機能」において2つ以上の該当項目がある場合、「口腔機能発達不全症」と診断される可能性があります。

数値で見る発達の状態

口腔機能発達不全症は視診(見た目のチェック)だけでなく、機器を用いた客観的な測定を行っています。

① 口唇閉鎖力検査(お口を閉じる力)
専用の測定器(りっぷるくん等)を使用して、唇を閉じる力を数値化します。
小児は年齢とともにこの筋力も発達していきます。
例えば、3歳児の男児であれば平均3.7N(ニュートン)程度ですが、12歳になると10.1Nまで上昇します。
この数値が標準値(-1SD以下)を大きく下回る場合は、口呼吸の原因となる「お口ポカン」の状態になりやすく、指導やトレーニングが必要です。

② 舌圧検査(舌の押し上げる力)
「舌は筋肉の塊」です。
正しい位置(スポット)に舌があり、十分な力で上顎を押し上げることができないと、上顎の成長が遅れ、歯並びや噛み合わせが悪くなります。
測定器で最大舌圧を測ります。
3歳では平均11.82kPaですが、12歳では37.48kPaまで発達します。
この舌の力が弱い「低舌圧」の状態は、飲み込み(嚥下)の異常や、将来の不正咬合の大きな要因となります。

体格や呼吸との深い関係

今回の指針で興味深いのは、口腔機能と「体格(栄養状態)」の関連が明文化されている点です。
歯科医院では必要に応じて、身長・体重から算出する「カウプ指数(6歳未満)」や「ローレル指数(6歳以上)」による評価も行います。
例えば、噛む機能が不十分であれば、食事が進まず「やせ」の原因になります。
逆に、よく噛まずに早食いをしてしまう習慣は「肥満」につながることもあります。
また、「口蓋扁桃(喉の扁桃腺)の肥大」や「睡眠時のいびき」も重要なチェック項目です。
大きな扁桃腺があると、呼吸路を確保するために舌が前方に突き出された状態になり、これが原因で歯並びが悪くなったり、機能発達が阻害されたりすることがあります。
これらは耳鼻咽喉科などとの連携が必要なケースもあり、お口を入り口として全身の健康状態をスクリーニングすることが可能になります。

トレーニングと管理

診断がついた場合、お子様の生活スタイルに合わせた管理計画によるトレーニングなどを行っていきます。
指導・訓練の内容例
・MFT(口腔筋機能療法):舌のトレーニング(ポッピング、ガムトレーニング等)を通じて、正しい舌の位置や飲み込み方を習得します。
・食生活指導:お子様の発達段階に合わせた食材の固さや食べ方のコツをお伝えします。
・姿勢の改善:食べる時の足の着き方や姿勢も、実は噛み合わせに大きく影響します。
・器具を用いた訓練:必要に応じて、唇や舌の筋力を鍛える専用の器具(りっぷるとれーなー等)を使用します。
これらの訓練は、単に数値を上げることが目的ではありません。
「安静時に自然に口が閉じていること」「鼻で静かに呼吸できていること」「何でも美味しく噛んで食べられること」という、当たり前だけれど一生を支える基盤を作ることが目的です。

定期検診が「一生のギフト」に

口腔機能の発達は、身長が伸びるのと同じように、適切なタイミング(ステージ)での評価が不可欠です。
当院が定期検診に力を入れているのは、虫歯をチェックするためだけではありません。
お子様のお口の成長曲線を見守り、機能の遅れや誤った習癖(指しゃぶりや舌を出す癖など)を早い段階で修正するためです。
「噛み合わせ」についても同様です。
歯が並ぶスペースが足りない時、無理に歯を動かす前に、まずは顎を正しく成長させるための「機能」を整える。
これが当院の考える、全身の健康を守るための矯正・咬合管理の基本です。
結びに代えてお口の健康は、生きる力の源です。

まとめ

三浦歯科医院では、大切なお子様が「一生自分の歯で、正しく噛み、健やかに笑える」未来を全力でサポートいたします。
今回のブログを読んで、「うちの子、少し気になるかも?」と思われた方はぜひ一度、当院へお越しください。
最新の知見に基づいた精密な評価と、愛情を持った丁寧な指導で、お子様の素晴らしい成長をご一緒に守っていきましょう。
少しでも気になるところがございましたら、気軽にお声掛けください。
スタッフ一同、笑顔で皆様をお待ちしております。

WEB予約

#