よく噛めない子どもは将来太りやすい
皆さんこんにちは。
千葉県市川市にある三浦歯科医院の院長の三浦靖です。
4月に入り新学期がスタートしました。
これからの子どもの成長が気になりませんか?
実は噛む能力が子どもの成長に大きく関係してくると言った研究成果が3月14日に国際科学誌『Journal of Dentistry』に大阪大学歯学部・大学院研究科、有床義歯補綴学・高齢者歯科学講座の研究グループによって掲載されました。
今回はその研究から、咀嚼力(噛む力)と子どもの肥満との関係についてご紹介いたします。
「よく噛めない」と肥満になりやすい?
大阪市内の小学4年生1,403人を対象に行われた調査によると、咀嚼力が弱い子どもは肥満傾向が高いことが明らかになりました。
この研究は、大阪大学歯学部と教育機関、企業が連携して実施されたもので、世界で初めての大規模な調査結果となっています。
これまでも早食いや口いっぱいに詰め込む食べ方が肥満の一因になると指摘されてきましたが、今回の研究では、実際の噛む力そのものが肥満と関係していることがはっきり示されたのです。
噛む力が弱いと、なぜ太りやすくなるの?
噛む力が弱いと、次のような影響が考えられます。
・食べ物を十分に細かくできないため、消化吸収が不完全になりやすい
・やわらかい・高カロリーの食品ばかりを好むようになる
・満腹感を得るのが遅くなり、食べ過ぎてしまう
・噛まずに飲み込む癖が早食いにつながる
こうした要素が積み重なることで、子どもの肥満につながりやすくなるのです。
さらに学童期の肥満はそのまま成人期にも引き継がれることが多く、生活習慣病のリスクを高めてしまいます。
子どもの健康は噛み方と噛む力から守れる
今回の研究結果は、子どもの肥満予防には食事の内容だけでなく、どのように食べるか、どれだけしっかり噛めているかといった食べ方の質にも目を向ける必要があることを教えてくれています。
例えば次のようなポイントを意識することで、自然と噛む力を育てることができます。
・やわらかいものばかりでなく歯ごたえのある食材を取り入れる
・ひと口30回を目標にしっかり噛む習慣をつける
・食事中のテレビ・スマホを避けて集中して食べる
・姿勢を正し、口を閉じて噛むことを心がける
まとめ
噛む力や食べ方のクセは、見た目ではなかなか分かりません。
当院では、お子さまの噛み合わせチェックや口腔機能の相談も行っており、必要に応じて改善のアドバイスやトレーニングもご提案しています。
「よく噛めていないかも…」
「食べるのが早すぎる気がする…」
そんな不安がありましたら、どうぞお気軽にご相談ください。
お子さまの将来の健康は、今の噛み方・食べ方から守ることができます。
スタッフ一同皆さまを笑顔でお待ちしております。