緑茶が歯周病予防への新たな可能性!?
こんにちは、三浦歯科医院の院長、三浦靖です。
日本の生活には欠かすことができないお茶。
そしてそのお茶の中でも最も飲まれていると言われるのが緑茶です。
その緑茶のカテキン成分が歯周病予防に役立つ」ことをご存じでしょうか?
最近、東北大学の研究により、緑茶に含まれるカテキンのEGCG(エピガロカテキン-3-ガレート)が、歯周病を引き起こす細菌に対して強い抗菌効果を持つことが明らかになりました。
今回はEGCGと歯周病についてお話していこうと思います。
EGCGとは?
EGCGとはカテキンに含まれる成分の一つです。
カテキンは、緑茶に多く含まれるポリフェノールの一種で、抗菌作用・抗酸化作用・抗癌作用などの健康効果があることで知られています。
特にEGCGは、カテキンの中でも最も強い抗菌作用を持つ成分として注目されています。
EGCGの歯周病菌への効果
東北大学の研究チームは、歯周病の原因となる以下の細菌に対するEGCGの効果を調べました。
・Porphyromonas gingivalis(P. gingivalis)
・Prevotella intermedia(P. intermedia)
・Prevotella nigrescens(P. nigrescens)
・Fusobacterium nucleatum(F. nucleatum)
・Fusobacterium periodonticum(F. periodonticum)
研究の結果、EGCGはこれらの細菌の代謝を抑制し、増殖を阻害することが確認されました。
さらに低濃度でも効果があり、細菌の死滅を促すことが解りました。
EGCGの抗菌メカニズム
EGCGが歯周病関連細菌に与える影響には、以下の2つの主要なメカニズムがあります。
1. 代謝抑制による増殖阻害と殺菌効果
EGCGが細菌の代謝を抑制することで、増殖が妨げられ、最終的に細菌が死滅することが確認されました。
2. 菌体凝集作用による細菌の除去
EGCGには、細菌を凝集させる働きがあり、口腔内に浮遊する細菌をまとめて排除する効果が期待できます。
これにより、歯周病の原因となるプラーク(バイオフィルム)の形成を防ぐことが可能となります。
虫歯菌との比較
研究では、虫歯の原因菌であるミュータンスレンサ球菌と比較したところ、ミュータンスレンサ球菌よりも歯周病菌のほうがEGCGに対する感受性が高いことが解りました。
これは、歯周病菌がグラム陰性菌で細胞壁が薄いため、EGCGの影響を受けやすいことが要因と考えられます。
まとめ
緑茶に含まれるEGCGには、歯周病菌の増殖を抑制し、口腔内の細菌を除去する強力な抗菌作用があることが明らかになりました。
これにより、緑茶の摂取が歯周病予防の一助となる可能性が高まっています。
歯周病は世界で最も感染している病気で、成人の8割は歯周病と言われています。
小さなことから歯周病対策を行っていくことで、歯から身体を守っていくことができます。
三浦歯科医院でも定期検診から患者様の健康を守っていくお手伝いを行っております。
スタッフ一同笑顔で皆様をお待ちしております。