よく寝る子は歯ぎしりがない!?
皆さん、こんにちは。
千葉県市川市にある三浦歯科医院の院長三浦靖です。
普段診療をしていると、「子どもの歯ぎしりが凄いんです。」という言葉をよく聞きます。
そこで今回は、乳幼児期の睡眠時間と歯ぎしり癖の関連についての興味深い研究を紹介いたします。
乳幼児期の夜間の睡眠が将来的な歯ぎしり癖に影響する可能性が示されました。東北大学の研究によると、睡眠時間が短い子どもほど歯ぎしり癖が見られる割合が高い傾向が確認されました。
この研究は、子どもの睡眠習慣が口腔健康にも関わりがあることを示唆しています。
乳幼児期の睡眠が歯ぎしり癖に与える影響
エコチル調査という2011年から日本中で10万組の子ども達とそのご両親が参加していただく疫学調査があります。
そのエコチル調査で、乳幼児期の睡眠時間と将来的な歯ぎしり癖の関連の研究がありました。
この研究によると、特に生後1か月や6か月の時期に睡眠時間が短い場合、2歳や4歳時点での歯ぎしり癖のリスクが高まることが示されています。
なかでも、夜間の睡眠時間が短いことが歯ぎしり癖に強く関連していることが明らかになりました。
歯ぎしりと睡眠習慣の関係性
歯ぎしりは咀嚼のような動作が睡眠中に起こる現象で、歯や顎、周囲の筋肉に負担をかける原因となります。
歯ぎしり癖が続くと、歯の摩耗や顎関節症、頭痛など、全身への影響が懸念されます。
睡眠中の無意識の動作であるため中々気づきにくいですが、今回の研究により夜間の良質な睡眠が歯ぎしりの予防に有効である可能性が示されています。
乳幼児期の睡眠習慣が将来の健康に影響する理由
生後1か月の乳児期は成長ホルモンが多く分泌される時期でもあり、質の良い睡眠が身体や脳の発育に重要です。
また、この時期に形成される睡眠リズムがその後の成長に影響を及ぼすとされています。
歯ぎしり癖も、早い段階で予防的に取り組むことが健全な口腔発育や全身の健康維持に繋がります。
親御さんができるサポート
歯ぎしりが発育や健康に良くないことが解りましたが、私達にできるサポートを3つご紹介いたします。
1. 規則正しい生活習慣の形成
乳幼児期から規則正しい生活リズムを作ることが大切です。
毎日同じ時間に寝起きし、日中は適度に身体を動かす時間を持たせましょう。
2. 寝る前のリラックス
寝る前には、刺激を避けてリラックスできる環境を整えましょう。
絵本の読み聞かせや温かいお風呂、心地よい照明の下で過ごすことが、安眠をサポートします。
3. 睡眠環境の改善
部屋の温度や湿度を快適に保つことで、ぐっすり眠ることができ、睡眠の質が向上します。
また、快適な寝具を選び、寝室環境を整えることも重要です。
まとめ
「よく寝た子は食いしばらない」との研究結果は、乳幼児期からの良質な睡眠習慣が、健康な口腔育成に寄与することを示唆しています。お子さまが健やかに成長するために、規則正しい生活と十分な睡眠を心がけ、睡眠時間や生活リズムの整備を大切にしていきましょう。
当院でも、歯の健康を守るためのアドバイスや定期検診でのチェックを行っていますので、気になる点があればお気軽にご相談ください。
スタッフ一同、笑顔で皆様をお待ちしております。