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医院ブログ

2024.09.17

野菜を食べて虫歯予防!?

皆さんこんにちは。
千葉県市川市にある三浦歯科医院の院長、三浦靖です。

前回のブログで唾液とうま味に関してのお話をさせていただきました。
そして今回のテーマも食とお口の環境についてのお話です。
なんと皆様が食べている”野菜”が虫歯予防に一役買っているという事がわかりました。
これは東北大学が8月1日に発表した『野菜に含まれる硝酸塩がむし歯予防をサポート~口腔細菌が硝酸塩から生産する亜硝酸塩がプラークの酸産生を抑制する~』という研究発表に記載されています。
それでは一体野菜の何が虫歯予防につながるのでしょうか。

どのような研究?

この研究は一般歯科を受診した18名の患者の上顎臼歯部(上の奥歯)から採取したプラーク(歯垢)に、お口の中と同等の濃度の硝酸塩及び亜硝酸塩を添加し、更にグルコース(ブドウ糖)を添加した際のpHの変化を測定したものです。

硝酸塩って何?

硝酸塩は土壌を含む多くの自然界に存在しており、植物は根から硝酸塩を吸収し、光合成などで炭水化物からアミノ酸やタンパク質を合成するために必要不可欠なものです。
硝酸塩は摂取されると消化管から素早く体内に吸収され、全身を循環したあと一部が唾液腺で濃縮され、お口の中に再び唾液成分として分泌されます。
そのため、お口の中には常に硝酸塩が存在しています。
また硝酸塩を摂取することで血管拡張作用のある一酸化窒素を生成する為、血管が拡張して栄養の運搬が効率化され、パフォーマンス向上や冷え性の改善がみられる研究もあります。
しかしその一方、ラットなどの小動物実験では発がん性をもつニトロソアミンを生成する結果が出ているが、人レベルでの生成に関して各国で研究が実施されていますが発がんに関わる有意なデータが出ておらず、今現在ではFAO/WHO合同食品添加物専門家会合(JECFA)から硝酸塩と発がんリスクの関連性があるという証拠にはならないと発表されています。
また亜硝酸塩は主に合成添加物として使用されているもので、良くハムなどの食肉製品の発色剤として用いられることが多いです。
亜硝酸塩は食品衛生法で「製品1kgの中に0.070gを超えて含有するものであってはならない」とされています。

硝酸塩がどのような影響をもたらす?

今回の研究では硝酸塩がグルコース添加前のプラークの内因性酸生産のpH低下を有意に抑制し、さらにグルコース添加後の酸産生に伴うpHの低下も有意に抑制しました。またグルコース存在下では、プラーク内の硝酸塩代謝活性が約3.3倍に促進されるという結果になりました。
一方亜硝酸塩の添加はグルコース添加前の内因性酸産生によるpH低下を有意に抑制はしましたが、グルコース添加後の酸産生に伴うpH低下には抑制せず、グルコース存在下での亜硝酸塩分解活性は有意に働いたものの、その促進効果は約1.1倍で硝酸塩に比べて遥かに低い結果になりました。
以上のことから、葉物野菜に含まれる硝酸塩が、歯を溶かす原因になる酸を生産するプラークの酸産生を抑制するということが解りました。

まとめ

今回の研究はまだ18名しかデータがない為エビデンスとしてはまだ弱いですが、これから研究が進んでいき今後の進展が期待されます。
栄養バランスを考えても野菜を食べることはとても重要で、しかも今後の研究にもよりますが虫歯の予防にもつながってくるという大きな可能性を秘めています。
歯科治療に関しては先進国から遅れていると言われる日本ですが、虫歯ができたらどうする?ではなく虫歯ができないようにするにはどうする?という予防歯科へ段々とシフト変更してきているのかなと思います。
三浦歯科医院でも予防歯科に力を入れており、多くの患者様がむし歯が無くてもむし歯にならないように予防へいらしています。
少しでも予防歯科が気になったあなた、ぜひ三浦歯科医院までお越し下さい。
スタッフ一同笑顔で皆様をお待ちしております。

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