唾液が出るとご飯が美味しくなる
皆さん、こんにちは。
千葉県市川市の歯医者、三浦歯科医院の院長、三浦靖です。
いきなりですが、皆さんの好きな食べ物はなんですか?
いつまでもご飯を美味しく食べたいですよね。
そんな中、先日興味深い研究が発表されました。
岡山大学が唾液とうま味の関係性についての研究発表です。
この研究内容は論文名『Salivary buffering capacity is correlated with umami but not sour taste sensitivity in healthy adult Japanese subjects』として2024年5月29日に口腔化学系専門誌『Achieves of Oral Biology』に掲載されました。
どのような研究?
この研究は岡山大学学術研究院医歯薬学域(歯)口腔生理学の吉田竜介教授らの研究グループが、健常な日本人学生の唾液の緩衝能(溶液のpHを一定に保とうとする働き)と味覚の感受性(感じ取る能力)との関連を調べた研究です。
そもそも唾液ってなんで必要?
唾液は一日に1000ml〜1500ml分泌されると言われており、健康に関連する様々な機能があります。
・消化を助ける
唾液に含まれるアミラーゼと呼ばれる酵素が、デンプンを分解し消化しやすい状態にしてくれます。
・口腔の清潔を保つ
食べかすを洗い流して虫歯や口臭を防いでくれます。
・味を感じやすくしてくれる
舌にある味蕾と呼ばれる味を感じる器官に物質を運んでくれ、食べ物の味を感じやすくしてくれます。
・食べ物を飲み込みやすくしてくれる
硬いものやパサパサした物も、唾液と混ざることでまとまって噛みやすく、飲み込みやすくしてくれます。
・口腔の健康を保ってくれる
唾液が口腔内の粘膜全体を覆って保湿、保護してくれます。また唾液に含まれるカルシウムやリンは再石灰化と言って溶けた歯を修復してくれ、虫歯になりにくくしてくれます。
・全身の健康を保ってくれる
口から入ってくる細菌の増殖を防ぐ抗菌作用を持ち、癌の原因にもなる活性酸素を減少させる役割を持っています。
味覚ってどんなのがある?
味覚というものは甘味、酸味、塩味、苦味の4種類と言われていましたが、1908年に日本人の科学者池田菊苗博士によってこの4つの味覚では説明できない味があることに気づき、湯豆腐の昆布だしから着想を得て第五の味覚”うま味”を発見しました。
うま味はグルタミン酸、イノシン酸、グアニル酸の3つが代表的なうま味成分であり、出汁に使われる食材に多く含まれています。
この日本独特のうま味は、2000年になってから世界でも広がっていき、今では”umami”として海外でも親しまれています。
うま味は脳にタンパク質を接種したことを知らせる役割を持っており、うま味を感じることによって唾液や消化液が分泌され、タンパク質の消化をスムーズにしてくれます。
唾液と味覚の関係性は?
話を研究に戻しまして、今回の研究でわかったことは、唾液緩衝能が高い人ほどうま味の感受性が高くなり、他の味覚にはそのような相関関係は見られませんでした。
そのことから、唾液緩衝能はうま味の感受性を高めてよりうま味を強く感じることから、唾液が出る人は食べ物をより美味しく感じることが解りました。
美味しさは健康だけではなく幸福にもしてくれる
株式会社Hakuhodo DY Matrixのシンクタンク「100年生活研究所」が行った意識調査で、100歳まで生きたいと思う人の割合を調査したところ、食事で幸せになった経験がよくある人のほうが、経験がない人より約10%高いことが解りました。
食事一つで幸福度がこれだけ変わるという面白い結果が出ていました。
まとめ
今現在、歯科業界では虫歯や歯周病だけではなく、口腔機能の重要性が高まってきています。
口腔機能が低下することで咀嚼ができなくなり、唾液の分泌が少なくなり、飲み込む力が弱くなり、身体が衰えていく。
全身の衰えは実は口から始まっていきます。
健康に生活していくためには口腔機能を高める。
そのためには美味しいものを美味しく食べる。
その手助けを三浦歯科医院も行っております。
虫歯や歯周病、定期検診以外にも三浦歯科医院では口腔機能に関する相談を行っております。
是非一度三浦歯科医院へお越しいただき、今の状態を確かめてみませんか?
スタッフ一同笑顔で皆様をお待ちしております。